技能職紹介 「クリーニング屋」

横浜発祥 クリーニング屋さん

クリーニング屋さんって?

クリーニング屋さん

クリーニング業法で定められる溶剤または洗剤を使用して衣類等を洗濯するお仕事です。 クリーニング屋さんは「クリーニング師」という資格を持った人が店舗に一人は必要になります。 現在多く見られる大手チェーンのクリーニング店は受付・引渡しの窓口で、 実際はクリーニング工場に集められて洗濯されています。

工場では最大限機械化されているため、それぞれの衣類にあった洗濯やアイロンがけが難しく、 取り扱えない種類の衣類等があります。その点を不便に感じている方たちが、 昔ながらの個人商店へ依頼することが多くなっています。 個人商店の場合、1 着1 着の衣類に合った洗濯とアイロンがけで仕上げる手仕事です。 お客様の好みに応じて仕上げるので、こだわりのある方の御用達となっています。

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クリーニング屋さんの技

クリーニング屋さんの技が光るのがアイロンがけです。その基本はワイシャツだとされています。 クリーニング屋さんは1着10分で仕上げるそうです。
しかし、本当にクリーニング屋さんの能力が発揮されるのが汚れに関する化学の知識です。 布の種類や汚れの種類(汗じみ、油汚れ等)によって、それに合った洗濯方法や洗剤を使って汚れを落とします。 酸性、アルカリ性などを考えて汚れを落としているってご存知でしたか?

クリーニング屋さんの技「ワイシャツのアイロンがけ」
ワイシャツのアイロンがけを
していただきました。
クリーニング屋さんの技「裏からアイロンを当てるのが基本」
裏からアイロンを当てるのが
基本です。
クリーニング屋さんの技「一番難しい襟周り」
一番難しいのがこの襟周り
だそうです。
クリーニング屋さんの技「完成」
キレイに畳んで完成。
美しく輝いて見えます。

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クリーニング屋さんの道具

ご家庭には無い特殊かつ大型の機械の数々です。

クリーニング屋さんの道具「ドライクリーニングの洗濯機」

ドライクリーニングの洗濯機。一回に男性用のスーツ上下6着を同時に洗えます。
石油系の洗剤を使い、油性の汚れを落とします。 この機械はティッシュペーパーを入れて洗っても破れずにそのまま洗いあがるそうです。

クリーニング屋さんの道具「水洗の洗濯機」

ドライクリーニングでは落ちない、汗染みなどの水溶性の汚れにはこの水洗の洗濯機です。
汚れを落とすことだけを考えると、昔ながらの手間のかかるやり方の方が落ちると言います。

クリーニング屋さんの道具「アイロンとアイロン台」

アイロンとアイロン台です。アイロンは電気式で、圧力をかけたスチームを噴射します。
アイロン台は特殊なもので、台を通して下からバキュームで空気を吸い、洗濯物をアイロン台にぴったり張り付かせます。

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クリーニング屋さんの歴史

諸説ありますが、1860年前後の横浜で日本初めてのクリーニング店が誕生しています。 長崎の外国人屋敷で西洋式の洗濯方法を習得した人物が横浜に移り、開業しました。 それまで米のとぎ汁や灰汁を使って揉んだり叩いたりして衣類を洗っていた人々は、 西洋式の洗濯方法や石鹸の威力に驚いたといいます。 その後外国船が集まる横浜を中心にクリーニング店が増え、 山手に駐留している外国人相手の商売を行い、財を成した人もいるそうです。

明治時代の文明開化で洋服を着るようになったことから日本のクリーニングの歴史は始まり、 大正時代になると洗濯機などが導入され、今のクリーニングの基礎が作られました。

クリーニング発祥の地である横浜のクリーニング屋さんは、文明開化とともに始まった伝統技能を受け継ぐ職人です。

 

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クリーニング屋さんになるには?

クリーニング屋さんには必ず『クリーニング師』という国家資格を持った人がいます。その資格を取るには、法律や衣類に関する知識の学科試験、ワイシャツのアイロンがけや布の繊維を見分ける実技試験に合格する必要があります。

試験に合格するためには、実際にクリーニング店で働くことが近道です。お店のクリーニング師の資格を持った先輩に教えてもらうことができます。県によってはクリーニング組合が学校をやっているところもあるようですので、そこで勉強してクリーニング師を目指しましょう。

クリーニング屋さんには、アイロンがけが上手なだけでなく、法律や化学の知識も必要なのです。

 

横浜マイスターのクリーニング師 沼能和男さん

取材に当たって横浜マイスターのクリーニング師 沼能和男さんにご協力いただきました。

○沼能さんのお店
恵比寿クリーニング 横浜市南区大岡2-13-11

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