技能職紹介 「豆腐屋」
手作りの味を届ける お豆腐屋さん
お豆腐屋さんってどんなしごと?
お豆腐を作って、お客さんに販売するのがお仕事です。
お店に買いに来るお客さんだけではなく、保育園や幼稚園や学校の給食用として配達したり、病院や介護施設に届けたり、スーパーなどに卸したりすることもあります。
朝早くから、その日に販売する分のお豆腐を作ります。
手づくりなのでたくさんは作れないけれど、味にこだわって丁寧に作るのでお豆腐屋さんのお豆腐は新鮮でおいしいのです。
お豆腐屋さんの仕事場
お豆腐はどんな所で作られているのでしょうか。
戸塚区汲沢の『手造りとうふのちばや』に取材に行きました。
お店を正面から見たところです。ショーケースの中に商品が並んでいます。
お店の中でお豆腐を作っています。大きな器具やお鍋やバケツがたくさん置いてあります。
水をたくさん使うので、長いエプロンをつけて、長ぐつをはいてお仕事をしています。
ちばやの石橋さんです。ひとりで全てのお豆腐を作っています。油揚げを揚げたりするのは、奥さんのお仕事だそうです。
お豆腐の作り方・技
お豆腐は何から作られているか知っていますか? お豆腐づくりを見せていただきました。
豆腐は大豆から作られています。大豆の種類によって甘さや硬さにちがいがあります。石橋さんは、秋田産の大豆と山形産の大豆を混ぜて使います。おいしいお豆腐を作るために、良い大豆にこだわります。 |
1 お豆腐を作る前の日に乾燥した大豆を水につけます。乾燥した大豆はまん丸ですが、水につけておくと長丸の形になります。夏は約10時間、冬は約24時間水につけます。
お豆腐作りに使用する器具です。左から絞り機、煮釜、豆すり機、ボイラー。
2 水に戻した大豆を豆すり機に入れて、ペースト状にすりつぶします。
3 蒸気の力ですりつぶした大豆を煮ます。
4 煮た大豆のペーストを布に通してしぼると、パイプから豆乳がでてきます。
5 もう1度、網目が細かい布でこして絞ります。力がいる仕事です。
6 絞りたての豆乳です。上にできた薄い膜がゆばです。
7 豆乳ににがりを混ぜて容器に入れて固めると絹ごし豆腐ができます。
8 こちらは木綿豆腐。にがりで固まったお豆腐を布をしいた容器に入れて重しをして固めます。
9 型からはずし、大きな水槽に入れ、冷やして完成!
お豆腐の歴史
お豆腐はおとなりの国、中国で発明されました。
発明されたのは、いまから2200年ぐらい前に作られたと言うおはなしがあるほど、昔から長く食べられてきました。
日本には奈良時代(1300年ぐらいまえ)に伝えられました。
江戸時代までは、お坊さんやお侍さんがよく食べる食べ物でしたが、江戸時代になって町の人まで広まり、いろいろな人が豆腐を食べるようになりました。
なめらかな絹ごし豆腐は、この時代に江戸で作られたものだったそうです。
[ワンポイント]
なんで「豆腐(とうふ)」って名前なの?
豆腐という漢字は発祥の地、中国でも使われています。
この豆腐の「腐」という字は中国では「液体のものが固まって出来た柔らかいもの」や「液体でも固体でもないもの」という意味があり、大豆を潰して煮た液体を固める豆腐(とうふ)の名前になったといわれています。
お豆腐あれこれ
絹ごし豆腐と木綿豆腐の他に、同じ材料で作られるお豆腐のあれこれを紹介します。食べたことはありますか?
寄せ豆腐
豆乳をにがりで固めておたまですくったのが寄せ豆腐です。 |
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ゆば
ゆばは熱い豆乳の表面にできる膜状のものです。つるっとしておいしいです。 |
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おから
豆乳をしぼった後の残りがおからです。調理し、いただくことができます。 |
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厚揚げ
厚揚げはお豆腐を油で揚げたものです。 |
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油揚げ
油揚げは、油揚げ用のお豆腐をうすく揚げたものです。 |
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がんもどきの煮物
がんもどきはお豆腐にごまやにんじんやヤマイモなどいれて揚げたものです。 |
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卯の花
卯の花はおからと切り昆布やにんじんなどを入れて煮てつくります。 |
お豆腐の魅力
お豆腐はたんぱく質が多く含まれていたり、栄養豊富で体に良い食べ物です。そのまま食べてもおいしいし、お味噌汁やお鍋や麻婆豆腐など、お料理してもおいしく食べられるのが魅力です。高いお金を払わなくても手軽に買えるので、お料理をつくるおうちの人にとっては便利に使えるのがお豆腐の良さです。
季節によって作り方を加減しないといけないのが難しくもあり、面白いところです。作ったばかりのお豆腐は、温かくて赤ちゃんの肌みたいにやわらかいですよ。
★手造りとうふちばや 石橋賢一さん
お豆腐屋さんになるには?
やる気があれば、誰でもお豆腐屋さんになれます。
お豆腐屋さんは、毎日おいしいお豆腐をこつこつ作り続けるので、ねばり強くなければいけません。
また、おいしいお豆腐を作るために自分で研究する気持ちが必要です。
ちばやの石橋さんは、日本のいろんなお豆腐屋さんに行って味を確かめたり、作り方を見せてもらったりしたそうです。
お豆腐を売る商売なので、商売のやり方やお店づくりも自分で考えます。
どんな職人さんにも言えますが、自分の進む道を見つけて、それにまい進できる人がその道のプロになれると石橋さんはいいます。