公開日 2013/07/19
元町で理容店を営んでいたO氏から1999年に寄贈された床屋さんの道具の中に、
西洋カミソリが14本もあった。
そのほとんどが「SOLINGEN」の刻印があるドイツ製である。
ゾーリンゲンは刃物の生産で知られる都市で地名がカミソリの代名詞のように使われる。
現在は包丁やナイフ、ハサミなどが
主力製品らしい。
O氏のカミソリは、長年収蔵庫に置いてあったとは思えないほど
刃先がピッカピカで、
今すぐ髭が当たれそうだ。
刃物の質が良く、O氏の日常の手入れが万全だったので
長年輝き続けていたのだろう。
職人気質を感じさせる逸品だ。
O氏と同世代の私の祖父や大正生まれの父がゾーリンゲンのカミソリで
髭を当たっていた光景を思い出す。
蒸しタオルと
シェービングカップとシェービングブラシ、
そして我が家のゾーリンゲンで
至福の時間を味わってみたくなった。
(収蔵庫整理担当者)