公開日 2015/03/13

冬眠していた虫たちが、春の訪れを感じて
起き出してくる頃と言われています。
無彩色の世界に、 一つ二つと花の彩りが加わっていくのを楽しめる季節です。

葛飾北斎は江戸後期の画家で、その作品から当時の人々や 町の様子を垣間見ることができます。

それを今のような近代化した港町へと変貌させる礎を築いた、 職人達の誇りと技量には計り知れないものを感じます。
匠プラザでは、 近代日本の形成を担った職人さんの道具の展示をしています。

貴重な展示品を寄贈して下さった「下平時計店」のご子息が、 先日ご来館されました。
今は営業していない時計店とのことですが、
半世紀の時を越え、 子どもの頃お父様の工房でいつも目にしていた 道具や看板などを懐かしくご覧になられ、 当時の様子やご家族とのほのぼのしたエピソードを お聞かせ頂きました。

小さな道具には、一つ一つに歴史があり、 職人さんの心や家族、仲間との思い出が沢山詰まっています。そう思って改めて眺めると、 どんな小さな道具もとても大切で愛おしく思えます。
是非皆さまも、そんなヒストリーを思い浮かべながら、 匠プラザを覗いてみて下さい。 また、下平さんのように、 寄贈頂いた職人さんやご家族のご来館をいつでもお待ちしています。 貴重な道具と共に、伺うエピソードを皆様に語り継いでいくのも 私共の使命と感じております。
人と人との繋がりから技能職への理解が深まっていけばと思っております。