公開日 2017/03/31
建具のマイスター田中利男氏によるコースター作りを開催しました。
当日はマイスターの技を継承している息子さんの実氏もお越しになり、
2人の先生に丁寧に教えていただきました。
あらかじめ細かく裁断された木材を組み立てていくのですが、
細工が細すぎて上手くはまりません。
力任せに合わせようとするとすぐにポキポキ折れてしまいます。
また組み立てるにも順番があり、似たような木材に皆さん悪戦苦闘。
先生への質問がとまりません。
マイスターに組み立て終了のお墨付きをもらったら、
次はやすりをかけて滑らかにします。
こちらの講座は1階匠プラザで行ったのですが、広く天井も高い会場が粉でいっぱいになり、
くしゃみをしながら、それでも時間をかけて丁寧に作業をしていきます。
建具に使用する木はケヤキや杉が主流なのだそうです。
理由は加工しやすくて、良い香りがするから。
コースターにもケヤキを使用しましたが、確かにやすりをかけるたびに良い香りが漂いました。
当日は田中マイスターの作品である行灯やコースター、
また職人が作業に使用するさまざまな道具などが展示されました。
中でも驚いたのが、曲線専用の鉋の存在でした。
お話を聞いたところ、現在は木材を機械で細く裁断するのだそうです。
ですが、そこから一つ一つの曲線を鉋にかけていくのだとか。
とても小さい曲線の刃がついていましたが、
鉋の大きさ自体は普通の木材にかけるようなものと変わらず、
ずっしりと重みがありました。
苦戦しながらも2つのコースターは完成しました。
参加された方は、展示されているマイスターの作品を見ながら、
「何回も通って、行灯を作りたい!」とすっかり夢中になっていました。
田中マイスターの作品である組子細工の行灯は
現在も当館1階の「匠プラザ」内で展示しております。
平成29年3月5日開催