【ハマの職人 第2号】 ~この横浜に継承したい技の話~

公開日 2018/02/09

  

<屋外広告士> 三村 嘉延氏 、三村 光一氏

<創業歴史>

中区富士見町にある三村看板店は四代目の三村嘉延氏、五代目の三村光一氏で営んでいる。  
戦時中は場所を移した事もあったが、現在まで、富士見町で看板店を続けている。

<ものづくりを支える職人アイテム>

    

今回「看板店」の作業所と運良く、看板の取り付け現場(新規店舗の看板取り付け)を見学することができ、
「クリエイティブでフットワークが良い」「面白い仕事!」という印象を持ちました。  

まず、何故「クリエイティブ」なのか!  
「看板」は様々な種類があり、 
掲示板・店舗の看板・施設や学校の看板、及び表示物(サイン)と種類をあげれば沢山。  
ずっと長く使うものもあるけれど、イベントなどその日だけのものもある。  
素材、形状、大きさもさまざまです。  
文字がプリントされているものもあれば、文字が浮きだしているのもある。  
看板の役割も異なります。店舗を代表するサインもあれば、無機質な表示もある。  
職人は、お客さまが求めるイメージを1点1点形にしていきます。  
同じものを大量につくるのではなく、全てオリジナルのオーダーメイドです。  
光一氏に「印象に残っているお仕事」を伺うと、「今まで扱ったことがない材料を使って  
看板を作った時の事」という答えでした。  
常に違うもの、新しいものに柔軟に向き合い、形にする看板職人の仕事は本当にクリエイティブです。  

そして、「フットワーク」について!  
今回、新店舗の看板の取り付け作業現場を見せていただきましたが、  
あっという間に高い足場にのぼっていき、2階の外壁に看板を取り付けてしまいました。  
迷いがなく、さすが職人です。さらに内装の作業まで短時間でこなしていました。  
「看板店は何でも屋」なのだそうです。取り付け作業では電気配線の知識も必要ですし、  
高い場所の設置もあれば、地面を掘って取り付ける事もある。  
もちろん、細かい手先の作業も出来てしまう。  
何でも臨機応変にそしてスピーディーに仕事をこなしていくのです。  
今回は、三村さまのフットワークの軽さもあり、急きょ近くにある共進町の看板製作店、  
大川レタリングにも伺わせていただきました。  
大川レタリングは困ったときは三村氏にとって「助け合う」存在なのだそうです。  
時には競合する存在でもあるけれど、お互いに良いやり方を教えあったりするそうです。  
大川レタリングではとても大きな看板を製作している最中でした。  
突然の訪問に対しても、快く今まで製作した看板を紹介してくださりました。  
多岐にわたる看板や取り付けのお話など驚きの連続でした。  

最後に、嘉延氏の「どう作るかわからなくても、仕事を請けちゃうんだ!!」という笑顔が  
とても格好良かったです。その言葉の裏には自分はどんなものでも作れるという自信と  
挑戦する心
が見えました。  
取材した私にとって、今まで知らなかった看板職人の世界でしたが、大変面白く  
ぜひ皆さまに「看板」に興味を持って見ていただきたいと思いました。  

取材日:2018年2月7日 (近江玲奈)


横浜市中区富士見町 「三村看板店」 三村さま 
 電話: 045 261 2263
 横浜市南区共進町 「大川レタリング」 大川さま 
 電話: 045-731-2555