公開日 2018/06/10
〈大工〉菊池正春氏
〈創業の歴史〉
工業高校を卒業後、山下工務店に入社し修行。
その間職業訓練校にも通い腕を磨く。
その後、大工の親方である父の会社
「有限会社菊池建設」に1985年に入社し、現在は代表取締役。
〈職人としごと〉
今回は横浜市旭区で建設業を営む菊池正春氏の事務所を訪ねました。
菊池氏は大工職ですが、「一般建設業」の許可を受け、
一級施工管理技士として様々な知識を有し、建築現場の監理技術者として
多くの工事や修繕などの技術上の適正な管理をされています。
また、多くの経験と知識を活かし
本業に加え、横浜建設一般労働組合の技術・職訓対策部部長として、
技術の習得、後進育成に尽力され、活躍されています。
まず、職人になったきっかけを伺うと、
中学校の製図の授業が楽しかったという菊池氏。
夏休みには、お小遣いをもらえることで作業を手伝い、
高校は「製図の授業が多い」ことや
メカニックや機械設計などに興味があったため、工業高校に進学されたそうです。
高校卒業後は、大正生まれの親方の家に住み込みで働き、
職業訓練校にも通いながら、腕を磨かれました。
大工職は、技術習得に時間がかかる一方、いろいろな作業があり標準化しづらく、
いなくなったら困ることが多いので、必ず必要な職種とおっしゃっています。
現在は監理技術者として、
建築現場の施工計画の作成・工程管理・作業に携わる人への指導監督などを行う
建築現場の要といえる存在です。
適切に指導監督を行う役割を担うため、たくさんの経験が求められるまさに“職人の技”です。
そんな監理技術者の資格を菊池氏は、
現在までに建設業29業種のうちの半分以上、16業種について取得しており、
公共工事や設備なども含めた、幅の広い現場の監理・監督を行っています。
〈職人とは〉
そんな菊池氏に職人とは?と質問してみました。
職人とは、「その職種に特化したアスリートのようなもの」と語る菊池氏。
そして、やったことのない仕事を頼まれた時は、「出来ない」とはけっして言わないそうです。
やってみたがうまく出来なくて、別の方法に気づかないという難しさもあれば、
様々な道具をうまく使い、建築素材や施工方法などを工夫して、
今まで無かったものを自分の工夫で作り上がった時や、
材料を違う形に変えてうまく出来た時、
お客さんに喜んでもらえた時に、大きなやりがいを感じるとおっしゃいます。
いつも何か工夫できないか、現場でも生活の中でも考え、よく見ているそうです。
確かな経験と技術に裏づけされた、現場監理とものづくり
けして立ち止まることなく、よりご自身の幅を広げる努力を続けていらっしゃる
菊池氏の姿勢にしごとに向き合う真摯でひたむきな情熱を感じるインタビューでした。
取材日:2018年5月30日(中城洋祐)
有限会社菊池建設
https://www.kensetumap.com/company/212694/
全建総連 横浜建設一般労働組合
http://www.kensetu-yokohama.jp/