【ハマの職人 第10号】 ~この横浜に継承したい技の話~2019年2月27日

公開日 2019/03/06

<クリーニング師>  関口 和廣 氏

 有限会社関口ランドリー商会 代表取締役、クリーニング師(国家資格)※1        

 

<創業歴史> 

1940年創業。(ご両親がお金を貯めては木材を1枚ずつ購入し、お店を建て開店)
1998年現夫妻が継承、クリーニング師資格をお持ちのご子息2人と協業。  

 

 

<ものづくりを支える職人アイテム>      
     

    
      
        
東急東横線大倉山駅近くにある店舗にお伺いしました。        
玄関ガラスには石鹸をイメージするような泡の中を泳ぐ鯨の絵が描かれています。        
玄関階段はご年配のお客様が多いので、足元の水はけに注心し、        
中に入ると荷物置きにも活用できる小テーブルなど、気遣いが感じられ、        
訪れることが楽しくなる清潔感あふれる店舗です。        
        
しわひとつ無いシャツとパンツをお召しの関口氏が迎え入れてくださいました。        
(クリーニング師の方にお会いする時は、自分がアイロンがけに自信がないせいか非常に緊張します)        
伺ってすぐ仕事場のアイロン台とアイロンを見せていただきました。説明の折にシャツのアイロンがけを見せてくださいましたが、        
いとも簡単そうにされるので、「自分にも出来るのではないか」と錯覚します。        
        
共に仕事を続けてこられた奥様も同席いただき、お話しいただきました。        
職に就いたきっかけは、「好む・好まないに関わらず家業を継ぎ、その時々の仕事を一生懸命やってきた」とのこと        
ご両親がお金を貯めて材木を一枚一枚揃えお店を建てたそうで、大倉山の歴史をまとめた書籍に        
大倉山を背にし、広い田畑の中にたくさんの洗濯物が干してあるお店が、一軒ポツンと建っている様子の写真が        
載っています。創業時、現在のような機器が無いので仕事にも手数が多く、他にも職人さんもいらしたそうです。        
「火のしより手のし」とよく父親が言っていたと話してくださいました。        
これはアイロンを握る手より反対の手で生地を引っ張ったり、しわを消したりが大切な工程で、        
ご両親の仕事を見ながら、技術や対話を体得していかれたのかなと推測しました。        
        
徹底しているこだわりは「クリーニング品をお客様が次にお召しになる時、すぐ着られるようにボタンや綻びの修理などに        
気を配り、お客様と対話しながら、お預かりからお届けまでていねいにお取り扱いする」で徹底しているとのこと。        
(朝、仕事に行こう!と着替えたシャツのボタンが割れていたり、とれそうだと気持ちが落ちるだろ)と        
お互いの仕事のWチェックもあるそうです。        
        
突然ですが、関口ランドリー商会様のHPに載っているお客さまの声をご紹介します        
【制服の仕上げが綺麗。ワイシャツの背中や袖の線がピッとしてカッコウが良いと同僚の方々に声をかけられた。        
そのワイシャツを着ると、背筋も「ピッ」とする。】たまたま、そのお客様のシャツがクリーニングに出されていました。        
着用後にも関わらず、背中の線は撚れることもなく きれいに残っており、「あぁ、こだわりの表れだな」と感じました。        
        
どのクリーニング品もお客様ひとりひとりにとって大事なもの、ていねいな仕事をして喜んでいただきたい。        
ひとつのものを、皆で協力し合って仕上げる意識。それでもお客様にお渡しする前に見直して仕上げを手直しする。        
お客様に「ありがとう!」と喜んでいただけること、「ここでなきゃ!」と期待されることが一番のやりがい。        
まだまだ何でも難しいけれど、期待どおりにできない時、どうにもできない時に特に難しさを感じるそうです。        
知識や技術を持っている方たちが、接客のレベルも高いのに、それでもまだまだ何でも難しいと話すことに        
目指しているものも、できることもずっと高いレベルなのだと感じました。        
そこで目指すものを尋ねました。答えは「健康管理」、しごとを愉しむために心がけたい。        
次世代であるご子息の目指すものは、「親父と母親みたいな手数が多い、ていねいな仕事をしたい」ときっぱり。        
        
帰りに拝見した洗濯室には最新の機器が並び、手洗いのためのスペースもレイアウトされた清潔な場所でした。        
手洗いされた真っ白いふわふわの婦人用ニットが干され、仕上げを待っていました。        
預けたお客様は受け取る時にうれしいだろうなと、ニヤニヤしながら帰ってまいりました。        
        
※1 クリーニング師・・・国家資格であり、必置資格のひとつ        
クリーニング店を開こうとする場合に必須の国家資格。クリーニング業法という法律により、クリーニング業を行うためには        
クリーニング所(受け渡しだけを行う店舗を除く)には1人以上のクリーニング師を置くことが定められているため、        
この業界のスペシャリストとして評価される資格ともいえる。        
(多様化するファッションに対応してゆくため、資格取得後も勉強は怠れない)        
学科①衛生法規②公衆衛生③洗濯物の処理知識        
実技①白・無地(綿35%以上のワイシャツ)のアイロン仕上げ②繊維の識別③しみの識別         
        
最後に技能文化会館より告知です        
「匠の学校~クリーニング屋さんから教わる上手なアイロンのかけ方」 講座を開講します        
6月2日(日)14時~16時        
横浜市技能文化会館 1階 匠プラザにて        
受講料:1.500円        
持ち物:筆記用具、ワイシャツ、普段アイロンがけに苦労している洋服        
お申込は電話・E-Mail・FAXにて        
        
取材日 2月27日(火)岩田 光代        
        
有限会社 関口ランドリー商会        
横浜市港北区大倉山1-14-14        
職人名 関口 和廣氏  

HPアドレス
  (有)関口ランドリー商会 (神奈川県横浜市港北区)
神奈川県クリーニング生活衛生同業組合
https://www.kanagawa929.or.jp/