□■□gibun&しごと通信□■□”Vol.82”副館長より 2024/9/15

公開日 2024/09/15

こんにちは、副館長の大木です。
メールマガジンをお読みいただきありがとうございます。

匠プラザの木型職人道具のコーナーに定規がたくさん並んでいます。
同じものばかり展示しなくてもいいのに、と思うかもしれませんが、全部違うものです。

この定規は鋳物尺(いものじゃく)と言って、金属の鋳物の原型を作るときに使う定規です。
金属は固まるときに収縮するので、その縮み幅を考えて原型を大きめに作らなければなりません。
その縮み幅の分、あらかじめ少し長くしてあるのがこの鋳物尺です。

金属の種類によって縮み幅が違うので、それぞれの金属の種類にあった鋳物尺があります。
その種類は10/1000や22/1000と表記されていて、
1000mmの定規が実際は1010mmや1022mmで作られています。
途中で別の種類の鋳物尺と取り違えてしまうと大変なことになりますね。

このように、一見同じものがたくさん並んでいるようでも、みんな微妙に違っています。
何が違っているのか、間違い探しのように楽しんでみてください。

大木佑介