技文便り「館長より」

  • □■□技文便り□■□”Vol.27”館長より 2013/8/10

    『温故知新(その2)』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    ユーミンにサザン。
    言わずと知れた大ミュージシャンです。
    我々世代には、青春の思い出と重なります。
    最近、彼らの活躍が(いつものように)目に触れます。
    でも何故か、「いつも」と違う感じがします。

    デビューアルバムのタイトル曲が40年の時を超え、
    今夏の宮崎アニメ主題歌で蘇るユーミン。

    デビュー当時の「昭和」を代表する野球スターと
    タバコの銘柄の題材を素晴らしいメロディーに乗せて
    5年ぶりに復活したサザン。

    共に時代を過ごした私たちは、
    彼らの活躍に「原点」の匂いを感じます。

    何故、そのように感じるかは全く持って不明ですが、
    (前号に続き独断と偏見を許されるなら、)
    そこに、時代を超えてなお支持される「何か」が
    あるように感じるのです。

    新たなモノを生み出し続けた結果、原点に戻る。
    原点にこそ道理がある、という仮説です。
    進化・深化し続けるアーティストこそ、
    現在(いま)と過去(原点)を行き来しながら
    未来を創っていく、と。

    温故知新とは、古きにこそ新しきモノがある。
    それは、時代が変わった(経った)からこそ
    見えてくるものかもしれません。

    この夏、私たち、技能文化会館では地元職人さんの
    手仕事を子供たちに体験いただくベントを開催します。
    (詳細はコチラ)

    手仕事とは、仕事の原点です。
    企業社会の発達やIT化に伴い、働くこと、
    報酬を得ることの実感が乏しくなる昨今、
    まさに「はた(傍:そば)」を「らく(楽)」にする
    ことが「手仕事」。

    仕事の原点を未来を創る子供達に体験いただく。
    有名アーティストに負けじと取組む当館の姿勢です。

    ユーミン、サザンに、技能文化会館。
    日本の夏、原点の夏をお楽しみください。

    平成25年 立秋

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.26”館長より 2013/7/25

    『温故知新』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    いつも不思議に思うことがあります。
    現代は昔に比べ進歩進化したと言われますが、
    反面、不思議に思う事も多く、
    その典型が現代病で、
    最近、盛んにケアが呼びかけられている熱中症も
    その一つに思います。

    独断と偏見ではありますが、現代病の多くは、
    信じて疑わない利便性効率性追求を是とする姿勢に
    その原因がある気がしてなりません。
    言わば進歩・深化の盲点とも言えます。

    熱中症の拡大と汗をかかない生活時間の
    拡大とは無縁ではないのではないかと。

    夏と言えば、、、、
    よしず、簾、打ち水、扇子、花火、風鈴、蚊取り線香、
    夕涼み、浴衣、鰻の蒲焼、ソーメン、ネバネバ系食品、
    がイメージされますが、これら全てが生活の知恵として
    古く江戸時代から続く夏対策です。

    その活用意図を調べると、
    ・自然の理に適い自然を活かす工夫
    ・人間の五感(触、味、嗅、視、聴)に訴える
    自然と人間を熟知しているかの如く、
    驚くほどの知恵に長けていることが分かります。
    もちろん江戸時代にはクーラーはありませんが、
    熱中病もなかったと思われます。

    温故知新とは論語の言葉で、
    「前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、
     新たな道理や知識を見い出し自分のものとする」
    ことだそうです。

    毎年夏になると、都市部でのヒートアイランド現象や
    電力不足などが話題に上りますが、
    こんな時代だからこそ、先人の知恵に学ぶ必要性を
    痛感するのは、私だけでしょうか。

    当館では、昨年に続き、職員による浴衣でお迎え、
    朝顔や風鈴など目と耳で感じ取る「涼」の演出、
    農園での取れたて朝野菜のご提供、
    日本古来の優れたゴザの販売、など
    先人の知恵と工夫を会館運営に活かしていきます。

    日本の夏、当館の夏、
    私たちの温故知新の取組をぜひお楽しみください。

    平成25年 大暑

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.25”館長より 2013/7/10

    『「在るがまま」の奇跡(その2)』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    現代はストレス社会です。ストレスとは、
    あるがまま(素)の自分と外とのギャップです。

    「あるがままの自分は○○だけど現実は△△。」
    「思い通りにならない、、、」

    人はこのギャップを埋めようと、無理をします。
    作物を農薬で外敵から防御するように、
    自分自身を装います(心理学ではペルソナと言います)。
    過度に無理をした場合、農薬の使い過ぎ同様、
    心身を蝕んでいきます。

    “20世紀にもっとも影響の大きかった心理療法家”
    と言われるカール・ロジャーズは、

    「人はみな自分の問題を自分で解決する力を持っている」
    「人間にはあるがままの自然な傾向として
     『適応・回復・成長』へと向かう性質がある」

    と断言します。
    それが、“自分が自分になる瞬間”だそうです。

    また、それを支援するカウンセラーの条件として、
    ・否定しないで相手を全て受け入れる
    ・感情移入して共感する
    ・カウンセラー自身の真実性=自分を信じ切る
    ことを挙げます。

    驚くことにこの条件は、
    無農薬の“奇跡のリンゴ”づくりに向かう
    木村さんの姿勢とピタリと符合します。
    彼も、リンゴを信じ自分を信じ切ります。

    私には、リンゴも人もあるがまま全てを受け入れ、
    感情移入して、自分を相手を信じれば奇跡的に強くなる、
    農薬や防御(ペルソナ)がなくても問題は自然に解決する、
    というメッセージに聞こえました。

    そこには、
    理屈より感情、
    効率より手間暇かける愛情、など、
    人間臭さが随所に垣間見えます。

    合理主義でなく人間主義こそが奇跡への扉かと。

    技能文化会館は、
    “ものづくり”“くらしづくり”“ひとづくり”
    を通じ地域社会を活性化していくことを
    使命としています。

    “私たちならでは”のサービスとは
    手間暇惜しまず人の可能性を信じること。

    行政サービスに驚きと感動を。そして、奇跡を!

    職員一同、より一層人間臭く取り組んで参ります。
    引き続き、応援よろしくお願いします。

    平成25年 小暑

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.24”館長より 2013/6/25

    『「在るがまま」の奇跡』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先日、技文農園担当スタッフが
    「農薬なしに育てたキャベツはすぐ虫食いになる」と、
    農薬の(虫を追い払うほどの)威力と怖さを実感した
    そうです。
    →詳細は【こちら】

    在(有)るがままとは、自然、生まれたままのことです。
    農薬なしに「在るがまま」に育てる作物は、
    虫食いというリスクを負います。
    「在るがまま」は自然で美しく傷つきやすい、のです。

    作物の中でもとても傷つきやすく、農薬なしで育てる
    ことは不可能と言われているひとつがリンゴだそうです。
    それを無農薬で育てることに人生をかけた方が
    いらっしゃいます。それが『奇跡のリンゴ』です。

    在るがままのリンゴは、自然の恵みを受け力強く、
    とても美味だそうです。この物語を読むと
    「在るがまま」は自然で美しくそして、、強い
    ことが分かります。

    この違いは、何なのでしょうか?

    『奇跡のリンゴ』には、
    「在るがまま」に生きられない現代の私たちに、
    「在るがまま」に生きることの大切さとヒントがある
    ように感じました。

    在るがままでは傷つくから、と防御している事が
    実は本来の強さを弱めている、、、と
    私は受け取りました。

    誰もが持っている「あるがまま」。
    自然で美しく傷つきやすい。でも、本当は強い。

    皆さんはどうお感じになられますか?
    (次号に続く)

    平成25年 夏至

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.23”館長より 2013/6/10

    『「非常識」の妙(その2)』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    前号では、非常識とは常識(当たり前)を
    進化・変化させていくこと、と書きました。

    私たちが当たり前(常識)に感じている「水」「空気」も
    「宇宙」から見た場合、それらが存在する惑星は皆無。
    水と空気の存在する地球自体が奇跡であり
    非常識であると言えます。

    この事実は、常識・非常識の判断は、
    対象とするモノや行為の中身でなく、
    対象を見る「視点」「視座」「視野」によって
    分かれることを示唆しています。

    はるか昔、今から350年ほど前、
    ガリレオの唱えた(当時)非常識な地動説をきっかけに、
    地球は世界の中心ではなく宇宙の一部である、
    ことに人類は気づきます。
    まさに常識が覆ることで、
    視点、視座、視野の大転換が起こりました。
    天文学が宇宙物理学へ進化するスタートです。

    現代の非常識と言えば、
    スポーツ界の日ハムの大谷選手の二刀流や
    陸上世界選手権男子マラソン代表選手の川内選手
    の経歴(埼玉県庁)と驚異の練習方法が思い浮かびます。
    彼らを「非常識」とする専門家は、
    従来の経験に基づく視点で発言しているのが
    よく分かります。

    非常識と言われる二人のチャレンジが
    「新しい常識」となった場合、、
    どのような視点、視座、視野の変化が
    起こるのでしょうか?
    私には、
    スポーツ界の誰も信じている常識を覆すような
    新たな可能性があるように思えてなりません。

     「内野手兼ピッチャーのスター選手」
     「市民ランナーがオリンピックメダル独占」

    どうでしょう。。。
    わくわくしませんか?

    自分の身の回りにある、
    非常識だけど結果オーライなチャレンジ。
    そこに、次の世界を紐解く可能性がある。
    わくわくしながら感じてみたいと思います。

    平成25年 芒種

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.22”館長より 2013/5/25

    『「非常識」の妙』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    「非常識」とは、「常識がなくひどい」という
    意味で使われますが、最近、
    私は別の意味があると思っています。

    非常識とは、当たり前を疑い、
    当たり前を変化させることではないか、と。

    非常識だった事も時代が変われば、
    常識に変わります。

    「昔は、大家族だったけど今は核家族が多い」
    「昔は、自給自足だったけど今は外食が多い」

    当たり前(常識)が時代とともに変化している、
    非常識が常態化し、やがて常識化している
    ことに気づきます。
    知らず知らずにゆっくりと。

    環境分野で初のノーベル平和賞を受賞した
    ケニア人女性のワンガリ・マータイさんが、
    感銘を受けた日本語「もったいない」。
    今では、この言葉が世界中の合言葉だと、
    公民の勉強をしていた中学生の息子に
    教えられました。

    MOTTAINAI(もったない)=
    環境3R(Reduce:ゴミ削減、Reuse:再利用、
    Recycle:再資源化)+Respect(尊敬の念)

    かけがえのない自然への「尊敬の念」が
    込められている、と、環境保護の世界共通語として
    広めることを彼女は提唱します。

    外国の方の指摘によって、日本語という常識が
    世界共通語という新たな常識に進化していきます。

    非常識とは、
     当たり前に気づく
     当たり前を疑う・見直す・刺激を与える
     当たり前を進化・変化させていく
    ことかと。

    常識的でいることも大切ですが、
    非常識でいることも悪くないのかもしれません。

    平成25年 小満

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.21”館長より 2013/5/10

    『立つ心』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先日、「心の師」と密かに仰ぐ方と1年ぶりに会いました。
    和やかな半日を共に過ごし、心がとても癒されました。
    その時の私は、ある“わだかまり”を持っていました。

    彼は、大手企業の役員を務めたキャリアを持ちますが、
    集まる目的は、彼のライフワークである深層心理学・宗教・
    量子物理学・医学と広範囲に渡る知識の共有と、
    決して偉ぶらない泰然自若とした人間性に触れることにあります。

    彼は、常々「問題は外ではなく内に在る」と言います。
    問題の本質とは外の出来事ではなく、それにわだかまりを持つ、
    自らの心の闇(シャドー*心理学用語)が原因であると。
    そして、
    そこに向き合わなければ、問題は解決しない。
    問題を解決できるのは、自らの心でしかない、とも。

    自らの心に向き合うとは、省みること。
    自分の心をあるがままに感じ観ること。

    古くは座禅、最近では、瞑想などの手法がありますが、
    総じて内観(仏教用語)と言うそうです。

    師匠との半日に及ぶ対話を通じ、自らを感(観)じ続ける。
    すると、わだかまりの正体がおぼろげながら分かり、
    不思議に癒されていました。

    同時に、外の出来事の良し悪しに囚われていた自分に
    初めて気づいたのです。

    「問題は外ではなく内に在る」

    五月病と言われて久しいですが、
    環境変化の激しい現代こそ、心に向き合う時間と場所が
    必要なのかもしれません。

    季節は立夏。夏の始まりです。
    「立つ」とは「自然界の現象が目立って現れる」
    との意味があります。
    季節の変化と共に「立つ心」に向き合うこと。
    大切にしたいと思います。

    平成25年 立夏

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.20”館長より 2013/4/25

    『和式スタイル』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    筍、さやえんどう、ホタルイカ、春かつお、
    “春の旬”をいただきました。
    旬のよさは、“美味しい”“安い”に加え
    “身体にいい”ことです。

    最近、「食養」という言葉を知りました。

    栄養学が確立されていない明治の時代、
    急速な食文化の西欧化に対して、
    石塚左玄という高名なお医者さんが提唱した、
    「日本人には古来の食べ物と食べ方が一番」
    「医食同源」「病気は食べ物から」
    の考えが食養です。

    つまり、和式の栄養学とも言えます。

    左玄は、食養の基本的な考えを5つにまとめます。
    その一つが「身土不二(しんどふじ)」です。

    身(自分の身体)と土(生まれた土地、大地)は、
    不二(ふたつならずや:分かち合うことはできない)と、
    生まれ育った“地のもの”をいただくことが
    健康への第一歩、ということです。

    旬をいただくことは、
    私たちが生まれ育った
    四季折々の変化に富む日本
    山川海に囲まれ恵まれた日本
    の恵みをいただく、ということ。
    だから、理にかない身体にいいのです。
    いかがでしょう?

    当館では、左玄が唱えた和式の栄養学を
    基本にした企画と講座を展開しています。

    手作りの「味噌と塩糀」「豆腐」「蕎麦」
    「梅ジュース」「梅干し」に、
    かつお節の隠れた秘密に迫る「鰹節講座」など、
    和式の良さを体験いただけます。
    (詳しくは【コチラ】

    また、5/8(水)~5/10(金)関内馬車道マルシェでは、
    野菜、工芸品などの「地もの(物産)」の
    販売を行います。

    健康を考える前に、食べ物と調理を考える。
    外に目を向ける前に、自らの住む地元を見る。

    宝物は足元に。

    左玄に相通じる当館オリジナルの和式の考えを
    どうぞお楽しみください。

    平成25年 穀雨

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.19”館長より 2013/4/10

    『「育つ」は「巣立つ」』

    不思議な夢を見ました。

    ずいぶん前に他界されて以来、
    思い出すこともなく忘れていた
    新入社員時代の直属の上司が
    夢の中に現れました。

    偶然にも夢を見たその日は、
    28年前に配属された日と同じ
    4月1日の月曜日だったのも驚きでした。

    上司の口癖は
    「何処へ行っても通用する人間になれ」
    「自分を高め磨くことを忘れるな」
    「給料はサラリーでなく自分の価値への対価だ」
    でした。
    組織内であっても個人で生きていくことの大切さを
    常に説き、実践していた方でした。

    そんな上司がかっこよくて、大好きで、
    皆が尊敬していました。
    私のビジネスマンとしてのベースは、
    彼が創ってくれました。

    元々、私は洋服職人の息子でしたが、
    一人親方の家業に嫌気がさし、跡を継がずに進学。
    組織で生きることを選択しました。

    今になって思えば、そんな私が彼の部下になり、
    個人で生きていくことの大切さを説かれたのは、
    不思議なご縁としか言いようがありません。

    以来私は、組織の中で偉くなるより、
    世の中に通用する自分の価値は何か?を
    常に追い求めてきたように思います。
    ビジネスの職人のように。

    上司が亡くなる1か月ほど前、見舞いに行った時の事。
    私をまじまじと見ながら、
    「お前は俺が育てたんだよな~」と、
    絞り出すような声でしたが、
    満足気にかけていただいた言葉が今でも忘れません。

    そうです、私は貴方に育てられたからこそ、
    今、ここにいるのです。

    “育つ”という言葉は、“巣立つ”とも言い
    ひとり立ちできるまで助け導く、意味があるそうです。

    夢に現れた上司は、もしかすると、
    「ひとり立ちするまで目を離すなよ」との
    メッセージだったのか、、、

    4月1日は、
    過去と未来が行き来する日かも知れません。

    「Nさん。分かりました。貴方と同じように、
     ひとり立ちするまで助け導きます!」

    皆さま、当館スタッフの「育つ」にご期待ください。

    平成25年 清明


    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.18”館長より 2013/3/25

    『「たい」のエネルギー 』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    桜の開花が例年になく早いようですね。
    三寒四温と言いますが、寒暖を交互に感じながら、
    すっかり春らしくなっていきます。
    暦の上では春分。春の真ん中です。
    この季節を過ぎれば徐々に夏に向かいます。
    季節の移り変わりは意外にも早いと感じませんか。

    私たち技能文化会館では、4月からの会館講座
    (匠、キャリア、くらしの各学校)とイベントの
    準備で大わらわ、です。

    当館主催の会館事業は、
    今年1年間で昨年の4倍以上もの約5000名の
    お客さまにご参加いただきました。

    そのうち約7割の方が、
    当館を今年になって初めてご利用いただく方々。
    お客さまの輪が広がっている実感があります。

    予想を上回る成果に、
    スタッフ一同感謝と嬉しさを隠せません。
    (まことに、ありがとうございます。
     この場を借りて、厚く御礼申し上げます)

    また、人とは面白いもので、
    来年は、「こうしたい」「ああしたい」
    など当館スタッフの「○○たい」が
    春らしさと共に自然に芽生え始めています。

    「○○たい」とは、人の素直なあくなき欲求であり、
    行動の源(エネルギー)です。

    「お客さまに喜ばれたい」
    「会館を知っていただきたい」
    「会館をもっと魅力的にしたい」
    「自分たちも楽しみたい」

    などなど。

    当館スタッフの「たい」で溢れた講座とイベントの数々。
    春の訪れと共に、皆さんをお待ちしております。
    どうぞご賞味ください。

    平成25年 春分

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.17”館長より 2013/3/10

    『“命”に向き合う月』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    個人的な話ですが、
    昨年から3月を“命”に向き合う月としています。

    今から68年前の3月10日は、東京大空襲のあった日です。
    10万人を超す方々がお亡くなりになられました。

    翌11日は、東日本大震災の日。
    死者行方不明者1万5千人を超える悲惨で過酷な災害でした。
    今でも避難生活を余儀なくされる被災者の方々、
    現地で懸命に復旧作業に携わっていただいている方々
    がおられます。

    そして、
    3月は私自身が2度の大病を経験した月でもあります。
    昨年は、病院のベッドから祈りを捧げました。

    入院中、竹内まりやさんの『命の歌』という曲に出会いました。
    彼女から被災者の方々に向けたメッセージでした。
    ベッドの上でこの曲を聴きながら、
    「何故、私はここに存在するのだろう?」と、考えました。

    2度の大病をしたにもかかわらず、病院の方々の懸命の看護、
    家族、会社のスタッフ、友人、仕事のパートナーなど
    多くの方々のお陰で、今も生きています。

    運命とは、人間が計り知れるものではないと思いながらも、
    同じ時代にあって自分が生きている奇跡を
    感じずにはいられませんでした。
    まるで、生かされている、如く。

    彼女の曲から
    人は1人では生きられない。
    出会い、めぐり会い、支え、寄り添って、
    生き生かされている、と強く感じました。

    「“命”に向き合う」とは、その全てに感謝すること。
    私自身が、「現在(いま)」「ここ」に「存在(いる)」
    奇跡を感じながら、全てのご縁に感謝すること、
    と気づいた瞬間でした。

    私の勤める、私の愛してやまない当館が、
    市民の皆さまのご縁、めぐり合い、支えあいの場として
    少しでもお役にたてること。
    それが、せめてものご恩返しであると。

    季節は、啓蟄(けいちつ)。
    陽気に誘われ土の中の虫が動き出す頃、の意味だそうです。

    私も、
    春の陽気にほだされ、生来の心の虫が動き始めたようです。
    市民の皆さまに、驚きと感動のサービスで
    愛される技能文化会館に。
    春の予感と共に、私たちがお届けします。

    平成25年 啓蟄

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.16”館長より 2013/2/25

    『素晴らしき敗者』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    今月は、冬のスポーツで盛り上がっています。
    真央ちゃんの2年振りのトリプルアクセルで
    湧いた女子フィギュア。
    サッカーに続けと、女子アイスホッケー
    16年ぶりのオリンピック出場権獲得。
    別大マラソン、川内、中本両選手による
    史上稀に見るデットヒート。
    まさに手に汗を握っていました。

    スポーツは見る分には楽しめますが、
    当事者には非常に厳しい世界。
    勝者と敗者の落差は、恐らく人が経験する中で
    最も辛く厳しい、と私は思います。
    ビジネスの比ではありません。
    それほどに勝者と敗者に落差があります。

    スポーツの世界に「Good Looser(素晴らしい 敗者)」
    という言葉があることを最近知りました。
    その意味は?と考えた瞬間、
    NBAのスーパースターであるマイケルジョーダンの
    次の言葉を思い出しました。

    「選手生活の中で
     9000本以上のシュートミスをした。
     300試合ちかく負けた。
     26回、ウィニングショットを任され、ミスした。
     人生の中でなんどもなんども繰り返し“私は失敗した”。
     それが、“私が成功した”理由だ。」

    勝つために負ける。
    次のために負ける。
    自分のために負ける。

    信じる心が道を拓くように思います。

    平成25年 雨水

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.15”館長より 2013/2/10

    『節目』
    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    今週は節分でした。
    節分とは、季節の「節」を分ける春夏秋冬始まりの前日で、
    都合、年に4回あります。
    節分を境に暦の上では春となります。

    旧暦では、春夏秋冬を24(節気:せっき)に分け、
    細やかな季節の移ろいを取り入れています。
    立春(春の始まり)もその一つです。

    今の時期は、冬の終わりの大寒から立春、そして、
    雨水(降る雪が雨に、氷が水になる、の意)へと
    冬から春へと移り変わっていく時期だそうです。
    旧暦の世界を紐解くと、自然と季節の変化を
    感じ取ることができ、とても趣があります。
    現代の暦が、何月何日とデジタルっぽく
    季節の変化を感じにくい、のと対照的です。

    話は変わりますが、進化論を唱えたダーウィンは、
    生命種が生き残る力を「変化」への対応力、
    と定義づけしました。
    環境の変化に敏感になり、対応できた種だけに
    「耐性」や「生命力」が養われる、というものです。

     私たちは、
    「昔からの叡智に、現代という難しい時代を
     生き抜く技と知恵がある」と、信じています。

    旧暦のある暮らし。

    それは、自然の持つ深遠さ不思議さを
    「季節の移り変わり」として語りかけています。
    まさに、人が本来持っている鋭敏さや生命力を
    呼び覚ますメッセージのように思います。

    いかがでしょう?
    皆さんの毎日に変化をつけてみませんか。

    当館では、館内装飾や運営サービスに
    季節を感じていただこうと工夫しております。
    *詳しくは、【こちら】をご覧ください。

    皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

    平成25年 立春

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】

     
  • □■□技文便り□■□”Vol.14”館長より 2013/1/25

    『見えない世界』

    市民の皆さま、いつも当館をご利用いただき
    ありがとうございます。

    この時期になるとインフルエンザが流行し始めます。
    感染予防には、手洗い・うがいが基本ですが、
    効果の有無は「見えない存在」だけに分かりません。

    「見えない」存在は、他にもあります。
    空気中にあるカビ菌。私たちの身体の中(特に腸)にも、
    何千と言う微生物(善玉菌)が生きています。
    私たちは、「見えない世界」と共存しています。

    個人的な話ですが、病気にならない身体づくりとして、
    1年ほど前からヨーグルトと酵素(*)を混ぜて食べています。
    酵素は、当館の発酵料理教室でも酵素ドリンクを作りました
    (*詳しくは【こちら】を参照ください) 

    どちらも私たちの腸内微生物(善玉菌)を増やす
    効果があると言われる発酵食品で、
    善玉菌が悪玉菌を駆逐するそうです。
    お陰で、身体の年中行事であった風邪をひかなくなりました。

    最近読んだ本では、長崎で被爆された方が味噌汁を毎日
    飲んでいたら放射能の後遺症が出なかった、という
    話もあるそうです。味噌も発酵食品です。

    本来、人間の身体は外敵から守るための耐性が
    備わっていると言われます。
    見えない世界の見えない力を引き出す力が
    発酵食品にはあるように思います。

    今年の冬は、
    手洗い、うがい

    「発酵食品」

    見えない世界の脅威には、見えない世界の力。
    微生物には、人が本来持っている「生きる力」を
    呼び覚ます鍵があるように思います。

    当館では、今年も発酵食品づくりに取組みます。
    健康な身体づくりに、せひ当館をご利用ください。

    平成25年1月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.13”館長より 2013/1/10

    『明けていく干支』

    市民の皆さま、明けましておめでとうございます。
    今年も当館をご利用のほど、よろしくお願い申し上げます。

    新年と言えば、干支(えと)の話がよく出ます。
    干支は、古く数千年前から使われている、
    漢字文化圏にしかない独特の暦です。

    中国の古典書である四書五経の一つ「易経」や
    これをベースにした陰陽五行説という思想は、
    陰陽二つの元素の対立と統合により森羅万象の
    変化法則を説き予測しています。
    これが暦と結びついたものが干支(えと)です。

    今年はへび=巳(み)年ですが、本来の干支は
    その字の通り、10干(甲乙丙・・・10文字)と
    12支(子丑寅・・・12文字)の組合せで表し、
    今年の干支は癸巳(みずのとみ)になります。

    陰陽の世界では、干支に使われる漢字には性質があり、
    その関係から時代の流れを読み取ります。
    今年の干支である「癸」と「巳」は性質は共に「水」。
    同質で反発し合うことから、相克(そうこく)の年と言われ、
    「天地の均衡が失われる」とされます。

    それぞれの漢字が持つ意味合いとしては、
    癸は揆(き)であり、万物を揆(はかる)
    ことができるという意味だそうで、
    「道理に基づき準備、計画する」ということです。

    巳(=へび)の意味合いは、
    「春、冬眠から目覚めて、動き出す」という、
    繰り返してきた惰性的な習慣を見直したり、
    新たな活動を始める時。
    「脱皮」というイメージもあります。

    これら干支にまつわるメッセージを読み解くと、
    『様々な変化や難局が起こる年にあっても、
     道理に基づき準備や計画を怠らず、
     常に変化(脱皮)していくこと』
    が今年のテーマでしょうか。

    当館が大切にしている道理とは、
    『人が手間と隙(ひま)をかけることにこそ、
     現代という難しい時代を生き抜く技と知恵がある』
    という信念です。

    手間隙を惜しまない
     「ものづくり」
     「くらしづくり」
     「人づくり」
    を推奨していくことが、当館の使命であると信じています。

    癸巳の今年は、
    自ら信じる道理・原理に基づき準備・計画を練り、
    世の中の変化を感じながら、
    常に新たなことに脱皮していく
    技能文化会館でありたい、と思っております。

    今年1年間、私たちの活動にご注目ください。
    また、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

    平成25年1月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.12”館長より 2012/12/25

    『暮れていくこと』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    仕事人である私たちの“暮れ”の行事と言えば、
    忘年会と納会。
    年末行事にちなんで「記憶」の話をします。

    脳の働きからすると、人間は忘れる存在だそうです。
    短期の記憶は3日ほどしか持たず、昨夜の夕食を
    思い出せないのもこれに当たります。
    理屈の上では、忘年会を開かずとも自然に忘れます。

    一方、脳には長期記憶という機能もあります。
    短期記憶がすぐ一杯になり、古いものをどんどん
    捨てる(忘れる)とすれば、
    長期記憶は、たまにしか使わない大きな箪笥の引き出しに
    丁寧に畳んである着物のような存在、ということです。

    人の記憶の仕組は、ITの世界のメモリーと
    根本的に違います。
    人の記憶は、事実だけでなくその時の感情や思いが
    セットになって長期に保存されるそうです。
    子供の頃の楽しかった記憶が今もって鮮明に思い出されるのは、
    その時感じた思いや感情が一緒だからです。

    起きた事実は、いずれ忘れ去られ過去になります。
    忘れなくても、記憶は曖昧になり不確かになり風化します。
    それが、人です。
    一方、私たちの心の箪笥には、風化しない感情が残ります。

    思いや感情は、過去のものでも「今」に輝きます。
    思い出す度、切なくなったり嬉しくなったりするのが
    その証です。
    事実は過去を、感情は「今」を生き続けるのです。

    だとすると、
    忘年会の本当の目的は、人間本来の(忘れる)性質を
    詫びる行事なのかもしれません。
    納会とは、仕事や商品だけでなく、
    今年起こった事実への思いや感情を、
    心の箪笥に「納める」儀式ではないかと。

    年の瀬に、「忘れ」を受け入れながら、
    その時、あの時に感じた思いや感情を
    心の箪笥に大事に「納め」ていく。
    事実は、時と共に風化し過去になりますが、
    納めた思いは、「今」に生き続ける。
    それが“暮れていく”ことかと。

    「ノーベル賞は、過去のもの」

    先日、受賞した山中教授が受賞式の後で発した言葉です。
    今年一番印象に残った言葉でした。

    教授には、ノーベル賞受賞さえも「忘れ去るもの」。
    一方、インタビューの随所で発言された
    「今後、この技術をどう活かすか?」の言葉には、
    受賞の事実は風化しても「難病の人を救いたい」との思いは
    ずっと彼と共にある。
    そう、受賞に至った思いを心の箪笥に「納めよう」
    としていると感じました。
    こうして、教授の素晴らしい1年が暮れていきます。

    市民の皆さまには、
    今年一年間、当館をご支援いただき、
    まことにありがとうございます。

    私どもも、暮れていく度に皆さまと共に
    “思い”を重ねていく存在でありたいと
    切に願っております。

    よいお年をお迎えください。

    平成24年12月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.11”館長より 2012/12/10

    『宿るもの』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先月、生まれて初めて着物を新調しました。
    今年の夏、当館で取り組んだ浴衣dayに触発され、
    和装の世界に思い切って飛び込みました。

    引き渡しの時。
    和紙に包まれた着物を開けた瞬間、
    「これが私が選んだ反物?」と、
    そこには、見まがうばかりの異彩を放つ
    着物がありました。

    まさに、命が宿る。。。。
    魂の息吹を感じた、驚愕の体験でした。

    その感想を率直に作り手にお伝えすると、
    とても喜んでいただきました。

    「昔から、着物には気が宿ると言いますか、
     作り手の思いが入り込み、
     それで着る方が護(まも)られてる、
     とも言われてたんですよ」と。

    正装やいざという時の“それなりの着物”には、
    形や形式だけでなく“魂”が込められているのだそうです。

    作っていただいた着物は、
    作り手の創意工夫があらゆる面でなされており、
    それも驚きでした。
    その一つ一つに作り手の技が光り、
    着る人への深い配慮と相まって、
    ますます輝きを増しています。

    長年もの間、磨き上げられた技が随所に光る着物。
    そして、何よりその着物に込められた着る人への深い配慮。
    これぞ、まさに手間暇かけて作り上げる職人技かと。

    手作りにしかないもの。
    それは宿る魂。

    分身である道具に宿る魂は、
    労わりと慈しみ。

    作った作品に宿る魂は、
    技へのプライドと
    相手への深い配慮。それこそ、愛。

    今年の冬、私は愛に護られ着物を身に纏います。

    平成24年12月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.10”館長より 2012/11/25

    『引き継ぐもの』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先日、当館で行われた横浜マイスターまつりが盛況に終わりました。
    10月の技能まつりに続き、毎年恒例となった
    地元技能職を代表する横浜マイスターの方々の行事です。
    (今年は15回目。詳細は【こちら】を参照ください)

    工業化・自動化全盛の時代にあって
    人手によるものづくり、技の世界観を
    多くの市民の方に触れていただくことが目的です。

    実は、私の父も職人でした。

    まつりの会場で、
    父と同業のマイスターの方のコーナーを
    覗いた時のこと。
    机上にある
    糊付けのための水を入れる独特のトレー、
    業務用アイロン、アールのある特殊な定規、、、、など
    マイスターの道具を見た瞬間、幼少期の自分に戻りました。
    父の仕事場で道具をおもちゃ代わりに無邪気に遊ぶ自分に。

    道具は、職人さんの魂とも言われます。
    プロの技を生み出すにはなくてはならないもの、
    ですから。
    一方、道具は「魂が宿る」「魂をつなぐ」
    ものでもあるように思います。
    まつりの会場で目にした道具は
    父のものではありませんでしたが、
    その瞬間、父の職人としてのこだわり、プライド、
    熱意を道具を通じて初めて感じたように思います。

    その父も5年前に他界しました。
    家業を継がなかった私は、生前、父の職人としての魂を
    感じることはありませんでした。
    むしろどこか距離を置いていたように思います。
    親不孝の息子でした。

    職人さんが集う横浜マイスターまつりは、
    その魂も集うのかもしれません。
    もしかすると、
    私たちは、その技能・伝統の継承だけでなく、
    その魂こそ後世に引き継ぐものなのかもしれない、
    と感じました。

    手づくり
    ものづくり
    魂(こころ)づくり

    その磨き上げられた技と人間性こそ、私たちの宝ではないかと。

    皆さんは、どうお感じになられますか?

    平成24年11月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.09”館長より 2012/11/10

    『人は大豆』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    前回の発酵食品に続き、またもや大豆の話題です。

    先日、当館主催事業「匠の学校」で手作り豆腐に
    挑戦しました。

    製造工程としては予想外にシンプルでした。
    (詳細は【こちら】をご覧ください)
    しかし、、、、
    大豆のつぶし方、火加減、混ぜ方、にがりの入れ方、
    “かくはん”のさせ方など、各工程ごとに微妙な
    さじ加減で味も品質も大きく異なり、
    作る人によって十人十色の味に変化。
    まさに作り手=職人さんの経験と勘が
    豆腐の味と品質を左右します。

    更に驚いたことは「捨てるものがない」こと。
    作る過程から、豆腐以外に湯葉、豆乳、おから、
    が生まれます。
    唯一捨てる「“かくはん”しなかった水」も
    これで白木を磨くとピカピカになるそうです。
    たった一握りの食材から、これほどの食品と用途を
    引出した先人の知恵に脱帽です。

    前回は味噌醤油など発酵食品、今回は豆腐と、
    古来より伝わる大豆の食品加工技術を話題にしました。

    共通するのは、
    「素材(大豆)の魅力を余すことなく引出す」
    「全てを無駄にしない。捨てない、大切に利用する」
    「人の経験と勘が仕上りを左右する」
    ということ。

    ふと、素材(大豆)を「人材」に置き換えたら、、、、

    「人材の魅力(可能性)を全て引出す」
    「人材を無駄にせず、人材を大切にする」
    「経験と勘によって人材は磨かれる」と。

    私たちは、
    「人が手間と隙をかけることにこそ、現代という難しい時代を
     生き抜く技と知恵がある」
    と信じています。

    皆さんはどのようにお感じになられますか?

    平成24年11月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.08”館長より 2012/10/25

    『腐敗と発酵』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    当館主催事業「くらしの学校」で人気を博している企画に
    『麹クッキングシリーズ』があります。
    昨今の塩麹ブームがキッカケとなってか大変人気です。

    麹とはカビ菌の一種で、タンパク質を栄養素として分解して
    様々な酵素を出します。
    肉を柔らかくしたり旨味を引出したり、これも酵素の働きです。
    近頃では、消化にもよく健康にもいいことが分かり、生酵素
    なるものも販売されています(私も愛飲しています)。

    これらは、全て発酵技術です。食品を腐らせて(腐敗)、
    別物へと「進化」させます。
    味噌、醤油、食酢、みりん、清酒、焼酎、泡盛、漬物など、
    基本食材(米・麦・大豆など)があれば、何でもできる。
    高温多湿の日本の風土にあって食品の保存にも適し、
    栄養学的にも優れている、まさに生活必需の万能技術です。
    それが、見えないカビ菌(麹)による腐敗の力だとは、
    感動すら覚えます。

    一方、
    現代の私たちは、「菌」「カビ」と聞くと忌み嫌います。
    昨今の無菌、除菌ブームが代表例で、なんでも除菌です。
    昔に比べ世の中は衛生的になっているように思えますが、
    アレルギーや花粉症など現代人の耐性が低下しているように
    感じてしまうのは私だけでしょうか?

    ある方から聞いた話ですが、
    無菌除菌のやり過ぎは、善玉菌までも殺してしまい、
    生物本来の耐性を低下させるそうです。
    目には見えませんが、菌も生き物なのです。
    そう、人間や動物と同じように、自然、この世界を
    構成し調和させる生物なのです。
    私達の身体の中、特に腸内には何千種類という菌がいるそうです。
    (ちなみに、ウィルスは生き物ではありません)

    「腐敗」が「発酵」につながると気づいた昔の人は
    「菌が生き物であり自然の一部である」
    と知っていたのではないか、私はと思いました。
    だからこそ、菌を廃除するのではなく「うまく利用する」
    「付き合おう」「取り込もう」として、発酵という叡智を
    生みだしたのではないか、と。

    当館は、
    「人が長い年月をかけて創り出した技能・技術には、
     現代という難しい時代を生き抜く技と知恵がある」
    と思っています。

    菌、カビ、麹、、、全て見えない力(発酵と腐敗)を
    持っています。
    昨今の除菌ブームと麹ブームに
    皆さんは何をお感じになられますか?

    平成24年10月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.07”館長より 2012/10/10

    『秋麗(うらら)』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    一時期、俳句短歌がブームになったことがあります。
    短い文章、限られた字数にもかかわらず、
    心に響く深遠なる世界。

    これまた、ブームになりましたが、
    ○○川柳として一般の方からの応募で入賞を
    決める企画が今でもあります。
    その作品を読むと時節・時代を鋭く切り取った
    描写力が光っています。

    ふと感じるのは、
    私たち日本人が、昔から短いこと儚(はかな)きこと、にこそ
    奥深さを感じる民族だったように思います。

    国学で有名な本居宣長は、日本人の本質を
    “もののあわれ”と表現しました。
    春夏秋冬、四季折々に移りゆくその一瞬の変化を
    僅(わず)かであるがゆえに「美しい」「愛おしい」
    と感じるその心だそうです。

    だからこそ、短歌、俳句など短い言葉に
    その儚(はかな)さを込めたのでしょうか。

    季節は秋。
    夏の一瞬の儚(はかな)さに思いを馳せつつ、
    私も一句。

    『秋麗(うらら) 瞬(まばた)きする間に うろこ雲』
    *秋麗(あきうらら):良く晴れた秋の空

    秋満載の当館をぜひご利用ください。

    平成24年10月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.06”館長より 2012/9/25

    『祭りと市』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先日、「技文市」を開催しました。
    地元技能職や会館事業関係者による手作り商品の販売を行い、
    ずいぶん賑わいを見せました。

    今月末(29日)には、フリーマーケットを開催します。
    これも現代版の“市”です。

    各所では、秋祭りで賑わっていましたね。
    技文では、来月14日に技能“祭り”に出展します。

    秋は“祭り”と“市”で盛り上ります。

    古来、
    五穀豊穣など生活の糧を天地自然、神仏に祈り感謝する場が祭り、
    収穫物を皆で分け合い生活を支える場が市、
    だったそうです。

    品種改良などの科学技術がなく、
    流通網が整備されていない時代には、
    とても大切な場であったことは容易に想像できます。

    祭りで、
    一つになって神輿を担ぐ
    一つになって踊る
    一つになって楽しむ

    市で、
    お互いに足りない物を交換する
    余分なものを分け与える
    皆で一つの恵みを分かち合う

    普段は、ばらばらである人と人とが
    老若男女、立場・身分に関わらずつながっていきます。
    身近な場所で人が出会いつながり合う場が
    四季折々の“祭り”や“市”として生活に
    根付いていたようです。

    私たちは、古の思いに馳せながら、
    技能文化会館らしい“祭り”と“市”を企画します。
    新たな市民の皆さまと出会いつながる機会をと。
    皆さんもつながってみませんか?

    平成24年9月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】

  • □■□技文便り□■□”Vol.05”館長より 2012/9/10

    『終わりの始まり』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    9月になりました。連日猛暑が続きますが、
    朝夕は少し過ごしやすくなったように感じます。
    夏も終わります。暦の上では季節は秋です。

    当館の夏は、
    しごと支援センター主催の若者向け合同就職説明会を皮切りに
    親子向け『匠の学校』3講座、『子どもアドベンチャー』、
    お馴染みの『パソコン講座』『くらしの学校』の麹クッキングなど、
    延べ1000名にも及ぶ市民の皆さまにご来館いただき、
    例年になく活況を呈していました。
    明日を担う若者の真剣な眼差し、
    ものづくりの世界に触れる子供たちの笑顔、
    ご来館者さま同士の心弾む会話などが忘れられません。

    また、
    毎週金曜日の職員による浴衣を着てのおもてなしや
    朝顔、風鈴、など季節感のある飾りつけを施した受付。
    何人かのお客さまから、直接お褒めのお言葉や好評をいただき、
    ささやかな感動を味わいました。

    その夏も終わり秋を迎えます。

    中国古来の老荘思想の一つである易経にある陰陽の考えとは、
    終わり(陰)は始まり(陽)であり、始まりは終わりであり、
    その生々流転の流れそのものが世界である、としています。
    “終わり”との語感には寂寞の思いを感じますが、
    既に新たな萌芽(始まり)の躍動でもあります。

    当館では、夏に引き続き秋ならではの企画をご用意しています。
    『匠の学校』では、ブラウス作りが始まります(22日、29日)。
    今月の連休には、職人さんの手作り作品を集めて
    初めての『技文市』を開催します(15日16日)。
    最後の週末(29日)には、『フリーマーケット』にチャレンジします。
    (出展者募集中です)
    既に新しい試みが始まっています。

    季節と共に変化し続ける技能文化会館にご注目ください。

    平成24年9月

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】

  • □■□技文便り□■□”Vol.04”館長より 2012/8/25

    『見えないつながり』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    夏も終盤です。オリンピックの感動に沸いた夏でした。
    サッカー、バレーボール、アーチェリー、フェンシング、卓球など
    団体競技に「これぞニッポンの団結力・チーム力」を
    感じた方も多かったのではないでしょうか?

    中でも私は、史上最多のメダルラッシュとなった
    個人競技の最たる水泳に、です。

    最後のメドレーリレーを控えた入江選手の
    「最後の選手がタッチするまで、27人のリレーは終わらない」
    「声を枯らしてまで応援してくれる仲間の存在に感謝」
    とのコメントに、個人の戦いであっても、
    選手同志に確実に存在する
    目には見えない“何か”を感じました。

    現在、技能文化会館及びしごと支援センターには、
    20数名の職員が働いています。
    私たち以外に、行政関係者、弁護士、社労士、技能職の方々、
    テナントの方々、警備・駐車場管理・館内掃除・貸室準備・
    施設設備メンテナンスのスタッフなどなど
    当館を円滑に運営するためにご協力いただいている関係者は、
    ゆうに職員の数倍、100名は軽く超えるでしょう。

    私たちは、全ての方と面識がある訳ではありません。
    しかし、直接間接、面識の有無に限らず、
    彼らの誰が欠けても、運営に支障をきたします。
    多くの方々に支えられて当館の今があります。       
    言わば、これもチームかと。

    昨年の漢字にもなった「絆」という文字。
    糸へんに半と書きます。   
    半分になった糸をつなぐ見えない何か。
    それが絆でしょうか。

    私たち職員全員の名札には、技文らしく「絆」と書かれた
    刺繍で作ったワッペンを貼り付けています。
    見えない何かを信じ、感謝するためです。
    私たちは、チームの力を信じ、チームの力で
    会館サービス向上を目指します。

    技文ならではのチーム力に今後もご期待ください。

    平成24年晩夏

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.03”館長より 2012/8/10

    『人は感動』

    市民の皆さま、
    いつも当館をご利用いただきありがとうございます。

    先月より、当館主催事業「匠の学校」が始まりました。
    地域の職人による“ものづくり”の面白さを市民の皆さまと
    共有することが目的です。
    当館では、地域の明日を担う子供たちに少しでも届けば、と
    親子向けの企画を夏休みに集中的に展開します。

    その現場では、職人が自分たちの仕事を
    一生懸命、子供たちに説明しています。
    お世辞にも、話はうまくありません。
    しかし、
    一たび実演を見せる段になると、一変します。
    何かが降りてきたかの如く人が変わり、
    いつの間にか周りの子供達もぐんぐん惹きこまれている。
    そして、自分でやってみる。

    「できた!」
    「楽しい」「うれしい」「感動した」

    ものづくりの醍醐味を味わっていただいている、
    と実感する瞬間です。

    オリンピックもいよいよ終盤。
    期間中、ニッポンがんばれ!と
    私も、涙ぐむことしきりでしたが、
    メダルの色、結果の順位でなく、
    そこに至る人のドラマ、人が真摯に打ち込むその姿に
    私たちは感動を覚えます。

    職人がものづくりに打ち込む姿勢には、
    これに似た感動があるように思います。
    匠の学校では、
    人でしかできない体験、人でしか感じられない感動で
    皆さまをお待ちしております。

    ニッポンがんばれ!職人がんばれ!
    ぜひ、応援ください。

    平成24年盛夏

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”Vol.02”館長より 2012/7/25

    『館長より』

    市民の皆さま
    いつも横浜市技能文化会館並びに横浜しごと支援センターを
    ご利用いただきありがとうございます。

    梅雨が明けました。暑い夏がやってきました。

    日本人は、昔から暑さ対策として、様々な知恵を絞って
    いたようです。
    打ち水、行水、手ぬぐい、すだれ、蚊帳、
    風鈴、線香、花火、、、など夏の風物詩が代表例でしょう。

    共通するのは、
    「自然を活かす」こと
    「人の五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)に訴える」こと。

    当館では、市民の皆さまにできる限り快適に会館を
    ご利用いただけるよう、スタッフ一同、知恵を絞っています。

    空調の温度調節や遮光など、一般的に考えられる手立て以外に、
    人の力でしかできない、人でしか感じることのできない、
    知恵です。

    例えば、受付、エントランス部分に朝顔、風鈴など、季節を
    感じていただく造作物を飾っています。
    ご覧いただけましたでしょうか?

    また、8月には曜日を決めて、一部スタッフが浴衣を着て
    お迎えします。

    人手を使った人が感じる快適さ。
    当館ならではのおもてなしで、皆さまをお待ちしております。

    平成24年 盛夏

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】
  • □■□技文便り□■□”創刊号”館長より 2012/7/10

    『「技文便り」創刊に寄せて』

    市民の皆さま
    いつも技能文化会館並びに横浜しごと支援センターを
    ご利用いただきありがとうございます。

    今回、メールマガジンを創刊するにあたり、
    当館の設置目的である
    「技能職振興」「勤労福祉増進」「就労支援」
    に流れる共通のテーマについて書き記します。

    私たちは、
    ~人が手間と隙(ひま)をかけることにこそ、
     現代という難しい時代を生き抜く技と知恵がある~
    と信じています。

    効率性・生産性・競争優位の現代にあっては、
    簡単・便利・安価であることが重宝されます。
    一方、
    人手を使って手間隙かけたものには、
    それらにはない“驚き”と“感動”、
    そして、なにより“愛着”が生まれます。

    私たちは、“人手”をかける、
     ものづくり、
     くらしづくり、
     社会に役立つ人づくり、
    を通じ、
    地域社会(経済・市民生活)を活性することを
    私たちの使命と考えています。

    行政サービスに驚きと感動を!
    新しい時代の社会起業家集団として
    皆さまに愛される技能文化会館を実現していきます。
    どうぞ応援ください。

    平成24年7月吉日

    ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ― ・ ―

    館長メッセージが掲載されている
    メールマガジン『技文便り』の【登録はこちら】