技文便り「館長より」

  • □■□gibun&しごと通信□■□”Vol.105”副館長より 2025/8/25

    こんにちは、副館長の大木です。
    メールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
    今月は館長と担当日を交代して配信しています。

    8月末となりましたが、まだまだ夏は続く気配です。
    収蔵品の中に「夏」に関係する物はないか探してみました。
    見つけたのは、和菓子屋さんの「ヤキガタ(常夏)」です。

    こちらはかつて伊勢佐木モールにあった老舗の和菓子屋さん、
    全国的に有名な「花見煎餅吾妻屋総本店」様から寄贈された道具です。

    おそらく瓦煎餅のようなものを焼いていたと思われる焼き型で、
    片面に「常𭐢(𭐢は夏の俗字)」の字とうちわと何かの花、
    もう片面にはお店の名前の「花見」とあります。

    他にも同じシリーズで「須广」「東屋」「うき船」などの焼き型もありました。
    実はこれらは全て源氏物語の巻名で、右上の5本の線もそれぞれの巻名を表す図柄です。
    なかなか雅なお菓子ですね。

    なんだか夏にあまり関係ない流れになってしまいました。
    まあ源氏物語の「常夏」もちゃんと夏のお話のようなのでよしとします。

    大木佑介

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