匠の小学校ボランティアスタッフの方から、
頂いたメールを
以下に紹介させていただきます。
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昨日は興味深い体験を
させていただいと思います。
大工さんに興味を持つのは
男の子が多いのかと思いましたが
そうでもないんですね。
女の子が多いのには驚きました。
何人かのチビッコと
木くず遊びと椅子づくりをしましたが、
特別に印象に残った
女の子がひとり居ました。
ふと気づくと彼女は独りで
一心不乱に15センチくらいの
平らな板の四隅に丸棒の脚を4本つけて、
お人形さんを寝かせるベッドを
作ろうとしているのか。
長い丸棒から
4本の脚を切り出す工程に
オジサンは感激。
1本目の5センチくらいの脚を
残りの長い丸棒に当てて
寸法を合わせて、
のこぎりで2本目を切り出そうとしている。
でも丸棒がグラグラして
上手くのこぎりが引けない。
「オジサンがおさえててあげるから・・」
とオジサンが介入。
「半分くらい切れたら、
少し棒を回転させるといいよ」
「最後はのこぎりをゆっくりと
優しく引いて・・よし、できた」
3本目、4本目は指示せずとも
自分でできる吸収力に感激。
4本の脚を平板に当ててみると、
長さが違っているせいか
グラグラするので、
サンドペーパーによる修正を教える。
飲み込みの速さ、
サンドペーパーの上手な使い方に感激。
いきなり組み立てずに
仮組と修正はものづくりの基本。
次に釘で固定する。
玄能(トンカチ)の器用な持ち方と
振り方にまた感激。
次々と作業工程をこなしてゆく
スピード感にも感激。
作業中に一度も顔を上げなかった彼女が、
最後にニコッとして
「ありがとうございました」
と嬉しそうに作品を抱えて行きました。
彼女は頭の中で
完成のイメージを持って事に当たっている。
そのための部品加工手順と
組立手順の構想ができている。
新しい技法を習得し
すぐに自分のものにしている。
他者に対するシャイな感じは
将来エンジニアか大工か。
センスとか才能は
小さい頃からあるんですね。
(以上、『ボランティアスタッフ手記』)
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(匠の小学校は、)
会館開設史上ギネス(であろう)
述べ1000名以上の親子連れの皆さんに、
ご参加いただきました。
当日は、当方の運営体制の
まずさから多くのお客さまを
お待たせするなど課題も明るみに出ました。
用意周到であったハズですが、
“想定外”でした。
想定外は、
嬉しい成果も生みました。
未来を担う500人を超える子供達に、
様々なものづくりの
体験をしていただくことができました。
この場を借りて、
深くお詫びと感謝を申し上げます。
(『技文メルマガVol.29「館長より」』文章から一部抜粋)
>>館長より バックナンバーはこちら
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子どもたちに
笑顔と楽しい思い出を
作ってもらおうと
我々は意気込んで
『匠の小学校』に取り組みました。
職人さんに教わりながら、
ものをつくる工程で笑顔見せている
お子さんの横で、
体験したかったものが出来ずに、
泣きながら帰られるお子さんを見て、
本当に申し訳ない気持ちで
いっぱいになりました。
当日、雨模様にもかかわらず、
ご来場いただいた沢山の皆さま、
当日の慌ただしさの中で、
大変なお力添えをいただいた
ボランティアスタッフの皆さま、
「大忙しだよ!」と汗をかきながら
笑顔を見せていた
横浜の職人の皆さま、
本当に本当にありがとうございました。
今回の気持ちを忘れることなく、
改善すべきものに目を背けることなく、
しっかりと省みながら、
また新たな取組みに当館は
チャンレジしていきます。
今後とも、横浜市技能文化会館を
どうかよろしくお願いいたします。