技文便り「館長より」□■□gibun通信□■□”Vol.10”副館長より 2021/9/152021年09月15日
こんにちは、副館長の大木です。
メールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
匠プラザの道具紹介第2弾です。
勝手に私のお気に入りの道具を紹介させていただきます。
今回はカンナの刃です。
大工さんのコーナーに並べられているいくつかのカンナの刃のうち、特別大きいものがあります。
通常のカンナの刃幅は大体60~70mm前後なのですが、これは倍以上の144mmもあります。
その表面には「昭和七年壱月初鍛 暁鶏声 石堂輝秀作」と彫ってあります。
石堂は400年続く刀鍛冶で、廃刀令後に道具鍛冶になった名門だそうです。
そこの10代目輝秀が昭和7年1月に作った暁鶏声という名前のカンナ刃、という意味です。
この巨大なカンナを引くにはどれだけの力が必要だったか。またどれだけの繊細な調整が必要だったか。
そもそもなぜこんな大きなカンナ刃が必要だったのか、どう使っていたのか。
記録が残っていないのでわかりません。
ただ、そのわからないところにロマンを感じるのです。
大木佑介